COLUMN

【ブランド紹介】Makaibari

マカイバリ茶園は1840年代にイギリス人により創業された、ダージリン地方で長い歴史を持つ茶園の一つです。

ダージリン地方において、最初に商業目的としての紅茶農園を始めたイギリス人・サムラー大尉によって始められたマカイバリ茶園は、1857年に世の中の貧困や不公平を改善したいという想いを持つインド人実業家のG.C.バナジー氏に引き継がれ、正式に茶園としての歴史をスタートさせました。

「マカイ」はネパール語で「トウモロコシ」、「バリ」は「肥沃な土地」。
植民地時代には、英国人がトウモロコシを栽培していた土地でした。

インド西ベンガル州ダージリン地方に設立されたマカイバリ茶園は、総敷地面積が670ha、東京ドームの約145倍の広さがあります。

そのすべてが茶畑であるわけではなく、約3分の1が茶畑、残りの3分の2は原生林がそのまま残され、無数の野生動物たちが生息しています。
そして、茶園で働く人たちとその家族で構成された村があり、その子供たちが通う学校があります。

マカイバリ茶園には自然と人間が調和する世界があります。

マカイバリ茶園では有機農法を更にすすめたバイオダイナミクス農法による紅茶栽培を1986年から行っています。

バイオダイナミクス農法はオーストリアの人智学者ルドフル・シュタイナー(1861-1925)によって提唱された農法です。

バイオダイナミクス農法では、生物の潜在的な力を引き出すために天体の動きに合わせて農産物を育て、自然界に存在するもののみで生成された調合剤を使用して栽培を行います。

調合剤にはひとつひとつ番号が振られています。

500番の調合剤は雌牛の角と牛糞から作られています。土に対して直接働きかける調剤で、作物を植え付ける前の農地に対して散布されます。土中の微生物の繁殖を助けて土地を肥沃にし、根の形成を助けます。

それに対になる501番の調剤は、植物の上部に働きかけます。雌牛の角と石英から作られた調剤を雨水に溶かして夏前に散布します。植物の光合成と葉緑素の構成を刺激し、作物の品質と栄養価を保ちます。

このようにそれぞれの調剤は相互に作用しあいながら、その土地・植物の生命力を高めています。

マカイバリ茶園はその3分の2に原生林を残しています。
これは単一作物を栽培するモノカルチャー(Monoculture)に対して、パーマカルチャー(Permaculture)と呼ばれます。パーマカルチャーは「自然との調和」を理念にかかげるマカイバリ茶園にとっては根本的な理念とも言えます。

3分の2を占める原生林にはヒョウ、ウサギや猿、鹿、また、300種類以上の野鳥が暮らしています。
レンジャー部隊が毎日原生林の様子を観察し、生態系の小さな異変にいち早く気づき対処することができる体制をつくっています。

また、マカイバリ茶園の中には茶園で働く人とその家族たちが暮らす3つの村があり、およそ1,700人が暮らしています。
そこには4代目茶園主であるS.K.バナジー氏とその家族も茶園の人々と一緒に生活し、茶園経営を行っています。

そして、自然と人間の調和する世界の一員として、そこに暮らす子どもたちも自然を守るための大切な役割を担っています。

子どもたちは、茶園内にある小学校に通っています。
その道すがら、茶園に落ちているプラスチックのゴミやビニール袋などの土に還らないゴミを集め、茶園主のところに持っていきます。

それに対して茶園主は、子どもたちにお金を渡し、その半分をその子の奨学金として茶園が責任をもって子ども一人ひとりの貯金口座に貯金しています。
子どもたちが将来、都市の学校へ行くときに、その口座からお金が引き落とされる仕組みになっているのです。

人と自然が共存・調和する世界を未来まで持続させることを考えた、マカイバリ茶園の取り組みのひとつです。

マカイバリ茶園では、植物と動物、人間が決して切りはなすことのできない調和した世界が広がっています。

マカイバリ茶園の紅茶をフォンテーヌ・ブローではディナーやご朝食の際にお楽しみ頂いております。
温めた大き目のポットに茶葉を入れたら、しっかりと沸騰させて100度にしたお湯を注ぎ、保温したまま5分かけてじっくりと蒸らします。

マカイバリ茶園の茶葉はその香と深みのある味わいが特徴です。
そのため、あまり熱々でお出しするのではなく、2分ほど冷まして、舌の上で味を感じられる温度にしてからお楽しみ頂いております。

また、一番おすすめの飲み方はストレートのため、ミルクやレモンはあえてお出しせずに、まずはその紅茶本来の広がりをお楽しみ頂きます。

マカイバリの紅茶を味わうことは自然と人間との調和の世界を感じることです。
バイオダイナミクス農法で自然の力を最大限にまで高めて収穫させた茶葉から、その自然のエネルギーを感じてみてください。

マカイバリ茶園では、1993年より最も厳しい有機栽培認定団体のひとつであるデメター(Demeter)を取得、以来毎年更新しています。
また、日本に向けては2001年に日本に海外から日本に輸入される紅茶として、日本で第一号の改正農林規格(JAS法)に基づく勇気認定を取得しています。